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金沢には本物(Authenticity)がある。「伝統工芸」、「伝統芸能」、「食」は歴史を通じて脈々と市民に受け継がれ、生活に溶け込んでいる。伝統文化のみではなく、現代文化とも共存し、本物が残り、本物を生み出していく。これが文化都市金沢であり、他の都市にはない魅力である。

2015年に北陸新幹線が開通し、観光客数は年間1千万人近くとなった。しかし、観光客の急激な増加はメリットをもたらすと同時にデメリットももたらしかねない。これまで遠い存在であったが故に守られてきたものも多くあったのだ。

そのような中で大切なことは、金沢に住み暮らす私たち市民が、このまちの文化を守り、次代へ継承していかなければならないという気概を持つこと。そして、それが金沢を守り、アイデンティティを磨いていくことになり、世界都市としての発展に繋がっていくのである。

残念ながら、時代の流れとともに、生活から伝統文化が消えつつある。そのため、需要が減り、伝統文化の担い手や職人たちが次代へその素晴らしい技を継承していくことが困難になりつつある。しかし、金沢の持つ個性と最も大きな魅力である伝統文化が廃れてしまうと、金沢としてのアイデンティティを失うことになる。

金沢の次代を担う私たちが、「伝統工芸」、「伝統芸能」、「食」などの伝統文化を守り、新たな金沢の魅力となる現代文化を創造していかなければならない。